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過活動膀胱(OAB)

症状・疾患の概要

過活動膀胱(OAB: Overactive Bladder)は、膀胱の機能に異常があり、頻繁に強い尿意を感じる疾患です。特に突然強い尿意に襲われ、時には尿を我慢できずに失禁してしまうこともあります。過活動膀胱は年齢とともに多く見られますが、男女を問わず発症することがあります。この疾患は、生活の質に大きな影響を与えるため、早期の診断と治療が重要です。

過活動膀胱は、以下のような症状を伴います。

尿意切迫感(急に我慢できない強い尿意を感じる)

頻尿(昼間の排尿回数が多い、一般的には1日8回以上)

夜間頻尿(夜中に何度もトイレに起きる)

切迫性尿失禁(急な尿意により尿漏れが発生する)

主な症状

過活動膀胱の主な症状は、膀胱のコントロールができなくなることで生じます。具体的な症状は以下の通りです。

尿意切迫感
急に強い尿意を感じ、我慢するのが難しい状態です。トイレに間に合わない恐れがあり、生活に支障をきたすことが多いです。

頻尿
昼間に頻繁にトイレに行く必要があり、1日8回以上の排尿が見られることがあります。

夜間頻尿
夜中に何度もトイレに起きることで、睡眠の質が低下することがよくあります。夜間頻尿は、日中の疲労や倦怠感にもつながります。

切迫性尿失禁
尿意切迫感に続いて、急な尿漏れが生じることがあります。特にトイレに間に合わないことがあり、社会生活に大きな影響を与えます。

診断と検査について

過活動膀胱は、問診といくつかの検査を通じて診断されます。症状が長期間続く場合や日常生活に支障が出る場合は、医師に相談することが大切です。

問診
症状の詳細や、どのくらいの頻度でトイレに行くか、夜間にトイレに起きる回数、尿漏れの有無について確認します。

排尿日誌
1日何回トイレに行くか、どのくらいの量の尿が出るかを記録することが診断に役立ちます。

尿検査
感染症や血尿、糖尿病などの他の原因を除外するために、尿検査が行われます。

超音波検査
残尿量の確認や膀胱の状態を評価するために、超音波検査が行われることがあります。

膀胱鏡検査
膀胱内部の状態を直接確認するために、膀胱鏡を使用することもあります。特に感染症や腫瘍が疑われる場合に行われます。

治療法について

過活動膀胱の治療には、生活習慣の改善、薬物療法、リハビリテーションなど、いくつかのアプローチがあります。患者の状態に応じて最適な治療法が選ばれます。

生活習慣の改善

水分摂取の管理
一度に大量の水分を摂取すると膀胱に負担がかかるため、少量ずつこまめに水分を摂ることが推奨されます。また、就寝前の水分摂取を控えることも、夜間頻尿の改善に役立ちます。

カフェイン・アルコールの制限
カフェインやアルコールは膀胱を刺激し、尿意を強めることがあるため、これらの飲み物を控えることが推奨されます。

排尿習慣の見直し
トイレに行くタイミングを定期的に設定し、膀胱を訓練する「膀胱訓練」が有効です。尿意を感じた時すぐにトイレに行くのではなく、少し時間を置いて我慢する習慣をつけることが症状の改善につながります。

薬物療法

抗コリン薬
膀胱の過剰な収縮を抑える薬です。尿意切迫感や頻尿、切迫性尿失禁の改善に効果的です。

β3受容体作動薬
膀胱の筋肉をリラックスさせ、尿をためやすくする薬です。抗コリン薬と同様に、頻尿や尿意切迫感の改善に役立ちます。

ボツリヌス毒素注射
膀胱に直接ボツリヌス毒素を注射し、過剰な収縮を抑える治療法です。効果は数ヶ月持続し、薬物療法が効かない場合に選択されます。

リハビリテーション

骨盤底筋トレーニング(Kegel体操)
骨盤底筋を鍛えることで、膀胱のコントロールを改善し、尿漏れの防止に役立ちます。定期的にトレーニングを行うことで、尿意を抑える力を強化します。

バイオフィードバック
専用の機器を使用し、骨盤底筋の動きを可視化してトレーニングを行う方法です。トレーニングの効果を高め、より効果的に筋肉を鍛えることができます。

予防方法

過活動膀胱の予防には、日常生活での習慣の見直しが大切です。以下の予防策を実践することで、症状の発症や悪化を防ぐことができます。

適度な水分摂取
水分を一度に大量に摂らず、少量ずつ分けて摂取することで、膀胱への負担を軽減します。

カフェインとアルコールの制限
カフェインやアルコールを控えることで、膀胱の過敏な反応を防ぎ、尿意を抑える効果があります。

定期的な排尿習慣の確立
一定の時間間隔でトイレに行く習慣をつけることで、膀胱を適度に刺激し、症状を予防できます。

骨盤底筋を鍛える
骨盤底筋のトレーニングを日常的に行うことで、膀胱のコントロールを強化し、過活動膀胱の予防に効果的です。

よくある質問

Q1: 過活動膀胱は治りますか?
A1: 過活動膀胱は完全に治ることが難しい場合もありますが、適切な治療や生活習慣の改善により症状を効果的にコントロールすることが可能です。治療を続けることで、生活の質を大幅に向上させることができます。

Q2: 薬を飲む必要はありますか?
A2: 薬物療法は、症状が重い場合に有効な治療法です。特に、抗コリン薬やβ3受容体作動薬は尿意切迫感や頻尿の改善に役立ちますが、生活習慣の改善も併せて行うことでより効果的です。

Q3: 自宅でできる予防策はありますか?
A3: 骨盤底筋を鍛えるトレーニングや、カフェイン・アルコールを控えること、規則正しい排尿習慣を心がけることが、過活動膀胱の予防に効果的です。また、医師の指導の下で膀胱訓練を行うこともおすすめです。

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