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貧血
症状・疾患の概要
貧血は、血液中の赤血球やヘモグロビンの量が減少し、全身に十分な酸素を運ぶことができなくなる状態です。主に鉄欠乏性貧血が最も一般的ですが、ビタミン欠乏や慢性疾患に伴う貧血も存在します。女性に多く見られますが、特に妊娠中や成長期の子どもにも発症することがあります。貧血は慢性化すると、疲れやすさや倦怠感が続き、生活の質が低下するため、早期発見と適切な治療が重要です。
主な症状
貧血の症状は、体内の酸素不足により引き起こされるさまざまな症状があります。軽度の場合は自覚症状がないこともありますが、進行すると以下のような症状が現れます。
倦怠感・疲労感
軽い運動や日常生活でも疲れやすく、だるさを感じることが多いです。
めまい・立ちくらみ
立ち上がる際にふらついたり、めまいが生じることがあります。
動悸・息切れ
血液中の酸素が不足するため、軽い運動や階段の上り下りで息切れを感じたり、心拍数が上がることがあります。
顔色の悪化・皮膚の蒼白
皮膚や粘膜が青白く見えることがあります。特に目の下の内側の部分が白っぽくなることが多いです。
頭痛や集中力の低下
酸素が十分に供給されないため、頭痛や集中力の低下を感じることがあります。
診断と検査について
貧血は、血液検査によって診断されます。主に赤血球数やヘモグロビン濃度を測定し、貧血の有無とその原因を確認します。
血液検査
血液中のヘモグロビン値や赤血球数、血清フェリチン(鉄の貯蔵量)などを測定し、貧血の種類や重症度を確認します。ヘモグロビン値が成人男性で13g/dL未満、成人女性で12g/dL未満の場合、貧血と診断されることが一般的です。
鉄・ビタミンB12・葉酸の検査
鉄欠乏性貧血の診断には、血清鉄やフェリチンの値を測定します。また、ビタミンB12や葉酸の欠乏が原因となる貧血の場合、これらのビタミンの血中濃度を測定します。
便潜血検査
消化管の出血が貧血の原因である場合、便潜血検査が行われます。特に高齢者の場合、胃や大腸の出血が原因の貧血が考えられるため、便の中の血液を検査します。
治療法について
貧血の治療は、原因に応じて行われます。特に鉄欠乏性貧血の場合、食事療法や鉄剤の服用が中心となります。
食事療法
鉄を多く含む食品を積極的に摂取します。特にレバー、赤身の肉、ほうれん草、大豆製品などが鉄分を豊富に含んでいます。また、ビタミンCは鉄の吸収を促進するため、一緒に摂取することが推奨されます。
鉄剤の服用
鉄欠乏が顕著な場合、経口鉄剤が処方されます。これにより体内の鉄分を補給し、ヘモグロビンの生成を助けます。鉄剤は通常、数ヶ月にわたって服用します。
ビタミンB12・葉酸の補充
ビタミンB12や葉酸が不足している場合、これらのビタミンを補充することで貧血を改善します。特に悪性貧血の場合、ビタミンB12の補充が必須です。
根本原因の治療
出血が原因である場合、消化管の出血部位を特定し、止血治療を行います。また、貧血を引き起こす病気(例えば腎臓病や慢性疾患)がある場合、その治療も同時に行います。
予防方法
貧血を予防するためには、日常生活での食事や生活習慣の改善が重要です。
鉄分を含む食品の摂取
鉄分を多く含む食品を日常的に摂取することが、鉄欠乏性貧血の予防に効果的です。レバーや赤身の肉、ほうれん草、魚介類、卵などを積極的に取り入れましょう。
ビタミンCの摂取
鉄の吸収を促進するビタミンCを、果物や野菜(オレンジ、ブロッコリー、ピーマンなど)から摂取することが推奨されます。
定期的な健康診断
定期的に健康診断を受けることで、貧血の早期発見が可能です。特に女性や高齢者は貧血のリスクが高いため、定期的に血液検査を行うことが推奨されます。
よくある質問
Q1: 鉄剤を飲むと副作用がありますか?
A1: 鉄剤は一部の人に便秘や吐き気、胃の不快感を引き起こすことがあります。これらの副作用が強い場合は、医師に相談し、鉄剤の種類や服用方法を調整することが可能です。
Q2: 妊娠中に貧血になるのはなぜですか?
A2: 妊娠中は血液量が増加するため、鉄の需要が高まります。鉄分の不足が原因で、鉄欠乏性貧血を引き起こすことが多いです。妊娠中は特に鉄分を意識した食事と、必要に応じたサプリメントの服用が推奨されます。
Q3: 子どもでも貧血になることがありますか?
A3: はい、特に成長期の子どもは、急激に体が成長するため、鉄の需要が高まります。鉄不足が続くと貧血を引き起こす可能性があるため、鉄分を含む食事を心がけることが大切です。