咳

症状・疾患の概要

咳は、気道に異物や炎症が生じた際に、体が自然に異物を排除しようとする防御反応です。短期間で自然に収まることが多いですが、慢性的に続く場合や、感染症やアレルギーなどが原因で発生することもあります。大人と子どもで原因が異なることも多く、咳が長引く場合は早めに医師の診察が必要です。当院では、内科と小児科の両方で咳の原因を診断し、適切な治療を行っています​​。

主な症状

大人の場合
咳は、風邪やインフルエンザ、肺炎、気管支炎、アレルギーなどが原因となることが多いです。咳の種類として、乾いた咳（乾性咳嗽）や痰が絡む咳（湿性咳嗽）があります。長期間続く場合は、喘息やCOPD（慢性閉塞性肺疾患）などの慢性疾患が関与している可能性もあります​。

子どもの場合
子どもは、風邪やRSウイルス、百日咳などの感染症にかかりやすく、これらが原因で咳を発症することがよくあります。また、アレルギーや気管支喘息が原因で、夜間や季節の変わり目に咳が悪化することもあります。特に乳幼児の場合、呼吸器がまだ発達段階にあるため、咳が長引く傾向があります​。

診断と検査について

咳の原因を特定するため、当院では以下の診断と検査を行います。

問診と聴診
咳の持続期間、痰の有無、発熱や他の症状を確認し、聴診器を使って呼吸音をチェックします。これにより、肺や気管支の状態を確認します​。

血液検査
感染症や炎症の有無を調べるため、必要に応じて血液検査を行います。特に発熱や全身症状がある場合に有効です​。

胸部X線検査
長期間続く咳や呼吸困難がある場合、胸部X線検査で肺や気管支の異常を確認します。肺炎や気管支炎などの診断に役立ちます​。

アレルギー検査
アレルギーが原因の咳が疑われる場合、アレルギー検査を行い、アレルゲンを特定します。特に季節性のアレルギーや喘息の診断に役立ちます​。

治療法について

咳の治療は原因に応じて異なりますが、一般的には以下の治療法が行われます。

咳止め薬や去痰薬
乾いた咳には鎮咳薬を、痰が絡む咳には去痰薬を使用します。適切な薬を使用することで咳の症状を和らげます​。

吸入療法
喘息や気管支炎が原因の場合、気道を広げる吸入薬やステロイド吸入薬を使用します。特に夜間に咳がひどくなる場合に効果的です​。

抗生物質の使用
細菌感染による咳の場合、抗生物質が処方されることがあります。ウイルス性の感染症には効果がないため、診断に基づいて使用します​。

予防方法

咳を予防するためには、生活習慣の改善や感染症対策が重要です。

手洗いとマスクの着用
風邪やインフルエンザなど、感染症を予防するために、手洗いの徹底とマスクの着用が推奨されます​。

アレルゲンの除去
アレルギーが原因の咳を防ぐために、アレルゲンを避けることが大切です。特にハウスダストや花粉が原因の場合、定期的な掃除や空気清浄機の使用が有効です​。

予防接種
インフルエンザや百日咳などの感染症を予防するために、ワクチン接種が効果的です。特に子どもや高齢者は定期的な接種が推奨されます​。

よくある質問

Q1: 子どもの咳が長引く場合、どうすればよいですか？
A1: 子どもの咳が1週間以上続く場合や、夜間に悪化する場合、喘息やアレルギーが原因であることが考えられます。早めに医師に相談し、必要であればアレルギー検査や吸入療法を行うことが推奨されます​。

Q2: 咳が出る時、すぐに薬を飲むべきですか？
A2: 咳は体が異物や炎症を排除しようとする自然な反応です。軽い咳であれば、水分を十分に取ることで和らぐことがあります。長引く場合や、痰や発熱を伴う場合は、医師に相談の上で適切な薬を使用しましょう​。

Q3: 夜間に咳がひどくなるのはなぜですか？
A3: 夜間に咳が悪化するのは、体が横になることで気道が狭くなり、痰がたまりやすくなるためです。また、喘息やアレルギーの影響も考えられます。枕を高めにして寝る、加湿器を使用するなどの対策が効果的です​。