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胃腸炎・十二指腸潰瘍
症状・疾患の概要
胃腸炎は、胃や腸の粘膜に炎症が起こる病気で、ウイルスや細菌、寄生虫の感染、または過度のストレスや薬物が原因で発症します。特にウイルス性胃腸炎は冬季に多く、ノロウイルスやロタウイルスが原因となることがよくあります。下痢や嘔吐、腹痛が主な症状です。
十二指腸潰瘍は、胃酸や消化酵素が過剰に分泌され、十二指腸の粘膜が傷ついて潰瘍ができる疾患です。主な原因にはヘリコバクター・ピロリ菌の感染、過剰な胃酸分泌、ストレス、鎮痛薬の長期使用などが挙げられます。空腹時の腹痛や、食後の一時的な痛みの緩和が特徴です。
主な症状
胃腸炎の症状
腹痛
腹部全体に痛みが現れ、腸の働きが悪くなるため下痢が伴うことが多いです。
下痢
水様便が頻繁に出ることがあり、脱水症状を引き起こすこともあります。
吐き気・嘔吐
胃の炎症により、吐き気や嘔吐を感じることが多いです。
発熱
感染が原因の場合、発熱を伴うことがあり、特にウイルス性の場合に多く見られます。
十二指腸潰瘍の症状
空腹時の腹痛
十二指腸潰瘍の代表的な症状は、空腹時や夜間にみぞおちに痛みを感じることです。食事を取ると一時的に痛みが和らぐことがあります。
胸やけ・吐き気
潰瘍によって胃酸の分泌が過剰になり、胸やけや吐き気が生じることがあります。
黒色便
潰瘍からの出血があると、消化管内で血液が酸化され、黒い便(タール便)になることがあります。
診断と検査について
胃腸炎の診断
便検査
細菌性胃腸炎が疑われる場合、便検査で細菌やウイルスの有無を確認します。
血液検査
炎症の程度や脱水状態を確認するために、血液検査が行われることがあります。
十二指腸潰瘍の診断
内視鏡検査
胃カメラで十二指腸や胃の内部を観察し、潰瘍の有無を確認します。粘膜の状態や潰瘍の大きさ、深さを評価することができます。
ヘリコバクター・ピロリ菌検査
ピロリ菌感染が関与している場合、血液検査や尿素呼気試験、便中抗原検査などでピロリ菌の感染を確認します。
治療法について
胃腸炎の治療
水分補給
嘔吐や下痢による脱水を防ぐため、経口補水液やスポーツドリンクで水分を補給します。重度の脱水には点滴が必要です。
薬物療法
整腸薬や制吐薬、鎮痛薬が症状に応じて処方されます。細菌性の場合、抗生物質が使われることもありますが、ウイルス性の場合は不要です。
十二指腸潰瘍の治療
薬物療法
胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)や、ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)を使用して、潰瘍の治癒を促します。
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌感染が確認された場合、抗生物質とPPIを組み合わせた除菌治療が行われます。これにより再発を予防します。
予防方法
胃腸炎の予防
手洗いの徹底
特に食事前やトイレの後には、石けんで十分に手を洗いましょう。これによりウイルスや細菌の感染を防ぐことができます。
食品の衛生管理
生肉や生魚などの生ものを避け、食材を十分に加熱することが重要です。食品の取り扱いに気をつけることで、細菌性胃腸炎を予防できます。
十二指腸潰瘍の予防
食生活の見直し
刺激の強い食べ物(辛いもの、脂っこいもの)やアルコールを控え、バランスの良い食事を心がけましょう。過剰な胃酸の分泌を抑えることができます。
ストレス管理
ストレスは胃酸の分泌を促進するため、リラクゼーションや適度な運動でストレスを軽減することが大切です。
鎮痛薬の使用に注意
長期間の鎮痛薬(NSAIDs)の使用は潰瘍を引き起こす可能性があるため、医師と相談の上、使用を控えるか、胃を保護する薬を併用することが推奨されます。
よくある質問
Q1: 胃腸炎はどのくらいで治りますか?
A1: 軽度の胃腸炎であれば数日で回復することが多いですが、症状の重さや原因によって異なります。ウイルス性の場合は1週間程度で回復することが一般的です。
Q2: 十二指腸潰瘍は再発しますか?
A2: ピロリ菌感染が原因の場合、除菌治療を行うことで再発リスクを大幅に減らすことができます。ただし、生活習慣の見直しが必要です。
Q3: 胃腸炎と十二指腸潰瘍の痛みの違いは?
A3: 胃腸炎の痛みは腹部全体に広がることが多く、十二指腸潰瘍は空腹時にみぞおち付近で痛みを感じることが多いです。食後に痛みが和らぐのも十二指腸潰瘍の特徴です。