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痛風
症状・疾患の概要
痛風は、血液中の尿酸が過剰に増加し、結晶化して関節内に沈着することで強い痛みや炎症を引き起こす疾患です。主に足の親指の付け根などに発作的な激しい痛みが生じることが多く、痛風発作と呼ばれます。痛風は生活習慣病の一種であり、高尿酸血症が続くと、腎臓の機能低下や尿路結石などの合併症を引き起こすこともあります。発作が繰り返されると、日常生活に大きな支障をきたすため、早期の治療と予防が重要です。
主な症状
痛風は、主に次のような症状を伴います。
急性の関節痛
突然の激しい痛みが関節(特に足の親指の付け根)に発生します。この痛みは、数時間から数日間続くことが多く、発作が治まるとしばらく症状が現れないこともあります。
関節の腫れと赤み
痛みが生じた関節は腫れ、赤くなることが一般的です。関節が非常に熱を持ち、触れるだけで痛みが増すこともあります。
発熱
痛風の発作時には、軽度の発熱が見られることがあります。
再発
一度痛風発作が起こると、再発することが多く、適切な治療を行わないと発作の頻度が高くなります。
診断と検査について
痛風の診断は、以下の検査や診断によって行われます。
血液検査
血液中の尿酸値を測定し、高尿酸血症の有無を確認します。血中尿酸値が7.0mg/dL以上である場合、痛風のリスクが高いとされます。
関節液の検査
痛風発作時には、関節から関節液を採取し、尿酸結晶が存在するかどうかを確認することが行われます。これにより、他の関節炎との区別ができます。
X線や超音波検査
関節や周囲の組織に異常がないか確認するために、X線や超音波検査が行われることもあります。これにより、痛風による骨や軟骨への影響を確認することができます。
治療法について
痛風の治療は、急性の発作に対する治療と、再発予防のための長期的な管理に分けられます。
痛風発作の治療
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
痛みや炎症を抑えるために、NSAIDs(イブプロフェンやナプロキセンなど)が処方されます。発作の初期段階での服用が効果的です。
コルヒチン
発作が初期の段階であれば、コルヒチンという薬が効果的です。発作の頻度を減少させ、症状を早期に緩和します。
ステロイド薬
症状が強い場合や、他の薬が効果を示さない場合には、ステロイドが使用されることがあります。
長期的な管理と予防
高尿酸血症の管理が、再発防止と痛風の合併症を防ぐための重要な対策です。
尿酸生成抑制薬(アロプリノールなど)
尿酸の生成を抑える薬が処方されます。これにより、血中の尿酸値が正常範囲内に保たれ、再発リスクを低減します。
尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロンなど)
尿酸を体外に排出する効果がある薬も使用されます。これにより、尿酸値を下げることができます。
予防方法
痛風を予防するためには、日常生活での生活習慣改善が重要です。
バランスの取れた食事
プリン体が多く含まれる食品(レバー、魚の卵、アルコール、ビールなど)を避けることが推奨されます。さらに、水分を十分に摂取し、尿酸の排出を促進させることが重要です。
適度な運動
運動不足は肥満を引き起こし、高尿酸血症のリスクを高めます。ウォーキングや水泳など、関節に負担をかけない運動を定期的に行うことが推奨されます。
アルコールの制限
特にビールや蒸留酒など、アルコール飲料は尿酸値を上昇させるため、飲酒量の管理が重要です。
体重管理
適切な体重を維持することで、尿酸値の管理が容易になります。肥満は高尿酸血症と痛風のリスクを高めるため、減量が推奨されます。
よくある質問
Q1: 痛風は治りますか?
A1: 痛風そのものを完治させることは難しいですが、尿酸値を適切に管理することで、発作を予防し、合併症を防ぐことが可能です。定期的な治療と生活習慣の改善により、痛風をコントロールすることができます。
Q2: 痛風発作時にはどのように対処すればよいですか?
A2: 発作時には、患部を冷やし、安静にすることが重要です。早めに医師の診察を受け、適切な薬を服用することで症状を緩和できます。自己判断で市販薬を使用せず、医師に相談することが推奨されます。
Q3: どのような食事を心がけるべきですか?
A3: プリン体の少ない食品を中心に、野菜や果物、食物繊維を多く摂ることが推奨されます。また、水分を十分に摂取し、尿酸の排出を促すことが重要です。アルコールや脂っこい食事は避け、バランスの取れた食生活を心がけましょう。